僕は、「一期一会」という言葉が大好きだ。学研の四字辞典熟語には、「一生涯
にただ一度会うかどうかわからぬほどの縁。出会いを大切にすることのたとえ。」
と記載されている。人と接するときは、いつも「一期一会」の精神でお会いさせて
いただいている。お陰様で、「3人の師匠」に邂逅することができた。最初の師匠
は、当ホ-ムペ-ジの「コンサルタントの想い」で、ご紹介した“岩佐三朗氏”で
ある。岩佐師匠は、経営コンサルタントとして導いていただき、先生と言える尊敬
できる人で、僕の人生に大きく影響を与えたひとである。
二人目の師匠は、木之本省吾氏である。木之本師匠は、僕が50歳を境に今日まで大きく影響を受け、経営コンサルタントとして「AMP」の成長に尽力をいただいた人である。木之本師匠は、「本気で叱ってくれる人」「僕の人生の節目、節目に貴重な助言をいただいた人」である。
木之本師匠との出会いは、某家電メ-カ-販売会社向けの「リテ-ルサポ-トの戦略とシステム」のセミナ-」であった。当時、木之本氏は、メ-カ-系列店(地域家電店)育成のために、弊社の「3年・売上2倍・地域一番成長店」づくりの実践研修をダイナミックスに導入され、地域家電店の成長戦略の成功へ導いた立役者であった。木之本氏とは、37年間の交流があり、中でも2つの大きな「出来事」があった。
一つは、木之本氏からセミナ-のご依頼があり、講演後…木之本氏から物静かな言い方であったが…烈火のごとく『怒られた』ことである。今日の講演の話は何だ、それでも、プロか?と言われ、送迎車の中は…どんよりと重苦しかった。まだ、駆け出しのコンサルタントであった僕は、木之本氏の本意を知るべくもなかった。「怒る」と『叱る』の違いだ。それに、気づくこと5~6年の期間を要した。
二つ目は、木之本氏から高級ホテルの懐石料理へのお誘いを受けたことである。木之本氏曰く「大藪さんは、営業コンサルタントとして見させていただいていたが、大変失礼いたしました。経営者を教え導かれる経営コンサルタントとして認識いたしました。今日まで…大変失礼いたしました。」と深々と頭を下げられたのには驚いた。
瞬く隙に、送迎車の重苦しい出来事が蘇り、木之本氏の本意である「怒り」と「叱る」の違いに気づいたのである。同時に、木之本氏の『懐の深さ』に感銘を受けた一瞬でもあった。木之本氏は、多くのコンサルタントとの交流もあり、駆け出しのコンサルタントの僕に、早く一人前になれという、私心なく「激励の言葉」であったと気づいたのである。ややもすると経営コンサルタントは、理論と技術に走りがちであるが、その前に「人としての懐の深さ」が大切であり、人の意見を受け入れる「心の広さを持ちなさい」ということを木之本氏の姿勢から学び取り、今の「自分」があると確信している。
――その後、僕は弊社を円満退社し、AMP社を立ち上げていたが、木之本氏とは、疎遠となり、3年後に知らない街で、偶然にも遭遇し、それから時々会お会いしたり、忘れたころには「どうしている…?というお電話」をいただいたりしていた。しかし、僕が不思議に思ったのは、木之本氏は、多くのコンサルタントの方との交流はあったし、僕でなければならない理由は存在しない。その上ステークスホルダー(利害関係)でもなかった。ところが、僕の人生の節目を見越したかのように、お電話がかかり、さりげない会話の中に、貴重なご意見をいただいていた。いつしか、二人でお中元・お歳暮を贈る仲となり、木之本氏に何度かご自宅に招かれ、おいしい“天ぷらを”ご馳走になったものである(笑)。
最近…、木之本師匠から、電話が入り、俺も後期高齢者になったので、ここらでお互いにお中元・お歳暮は…そろそろやめようや! でもね、近いうち家に遊びに来ないかとお誘いを受けた。
元気よく、「ご馳走になります」と、ご返事をしたものの。先方の住まいは東京で、僕は福岡。思わず苦笑してしまった。行かなければと思い、いつしかパソコンに向かい、JAL航空会社へ予約を取っていた。
人生において「3人の師匠」と巡り会えば、幸せで生きがいとなる道程を一歩一歩進めることができると言われている。ちなみに、3人の師匠には、自分の経験では「3つのタイプ」があるように思える。
1.原理、原則を教えてくれて、尊敬できる人。
2.人生の価値観が共有でき、良きメンタ-である人。
3.吉川英治の「我以外皆我師」の意識を持ち、一期一会を大切にし、同志と言える人。
※自分の鏡と言えるような人で、常に自分を映し出し、自分の成長を確認できるような人。
上記1.は「岩佐三朗」であり、2.は「木之本省吾」である。木之本氏には、このブログを通じて、心から感謝を申し上げたい。
次回のブログは、3.の「師匠」をご紹介したいと思う。
読者の方で「師匠」について、ご意見や読者の師匠をご紹介いただければ幸甚である。
メ-ルお待ち申し上げます。
コメントをお書きください